鉄骨製作の晴れ舞台で、人間とロボットが融合する。


切断・曲げ・穿孔・開先加工を終えた形鋼や板材は「部材」または「部品」となります。
それらの部品を組立図通りに組合わせしていきます。組立作業は、ボルトで継ぎ合わせたり、仮溶接を施して所定の形状となります。部品は見る見るうちに、柱や梁、桁などに変化していきます。"仕口組立"とも呼ばれるこの作業は、2つ以上の部材を組み合わせて接合することを指します。仕口には、その部分にかかった力が的確に伝わるよう、慎重に作業していきます。

ここでも関係者が立会い、形状・寸法を確認する「仮組検査」を入念に行います。
一つひとつの作業を丁寧に行い、検査することで信頼性の高い製品を作っていきます。

続いて溶接の工程です。
仮溶接された箇所を自動溶接機や鉄骨溶接ロボット、もしくは「半自動溶接機」を使い3000℃もの高熱で一瞬で溶接を行います。最近では、溶接ロボットの性能がアップしたことで、溶接能率が上がり、安定した強度で効率化が図られています。しかし、ロボットは熟練の腕を持つ技術者には、まだまだ太刀打ちできません。経験で培われた人間の感覚や勘には、数式化できない優れたチカラや能力が潜んでいるのです。
こうしてロボットと人間が協調して、完璧な溶接作業を行っています。工場に美しい火花が舞い、まさに鉄骨製作の晴れ舞台です。「鉄」に息吹を与える瞬間と言っても過言ではないでしょう。


世界で活躍する、凄腕溶接技術者。


溶接作業は、鉄骨製作の中でも最も技量が求められる仕事のひとつです。 そのため、能力の高い溶接技術者は、世界中の現場で引っ張りだこな職種となっています。 溶接技術に関する知識と施工及び管理に関する職務能力や資格を持ち、高いレベルの人の技能や経験、対応力が必要となります。

部材は組み合わせられ、形を変え
ていく。




ロボットにより溶接を行う。もち
ろん、制御指示は人間がプログラ
ミングする。




どんなにコンピュータ化が進んで
も、人間の溶接技術に勝るものは
ない。